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ギリシャの聖火リレー中止に!日本の聖火リレーはどうなる

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オリンピックを象徴するものの一つに聖火がありますよね。4年に1度だけ火を灯す聖火、実はオリンピック発祥の地・アテネから運ばれてくるってご存じですか?

そこで今回もギリシャで聖火を東京へ運ぶためのイベントが行われたのですが、新型コロナウィルスの影響が色濃く出る結果となったようです。いったい何があったのでしょうか。

 

目次

ギリシャの聖火リレーは中止

ギリシャ国内で無観客の中行われた聖火点火式でしたが、13日、ギリシャのオリンピック委員会はギリシャ国内の聖火リレー中止を決断しました。

スパルタ・ペロポネソスに到着した聖火でしたが、新型コロナウィルスの影響もなんのその、多くの観客が集まったため急遽中止となったのです。

とはいえ東京に聖火が引き継がれなければオリンピックは行えません。ですから19日の東京への成果引継ぎ式は無観客の状態でアテネで予定通り実施されるということです。

なお312日時点でのギリシャ国内での新型コロナウィルス感染者数は117名、死者は1名となっています。

 

そもそも聖火とは?

ところで聖火とは何でしょうか?ゲームをプレーしている、海外映画をよく見るなどという場合は、聖水という言葉を聞いたことがあるかもしれませんね。

聖火はそもそも聖なる火のことで、宗教的にはキリスト教正教会が定める、奇跡と言われるエルレムの聖墳墓協会において、復活祭前日に配られる火のことなんですね。ほかにも古代ローマで信仰されていた、火床をつかさどる女神のウェスタに仕えた巫女、ウェスタの処女が守っていた聖火もありますし、実はバラの品種にも聖火があります。

オリンピックにおける聖火はその名の通り、オリンピック聖火です。国際オリンピック委員会の権限の元であるギリシャのオリンピアで灯される火と位置付けられています。

降りピック開催中はメインとなる競技場(たいていは開会式・閉会式会場)で灯され続けます。

オリンピック聖火の起源は古代ギリシャ時代、プロメテウスが大神ゼウスから火を盗み、人類に伝えたことから始まったとされています。

導入されたのは1928年のアムステルダムオリンピック。以降オリンピックの象徴として存在し続けています。

聖火リレーの始まりは1936年ベルリンオリンピックが最初とされていますね。

伝統では聖火の採火はオリンピア遺跡で太陽を利用し行われます。開会式数か月前にペロポネソス半島のヘーラーの神殿跡で採火され、凹面鏡に太陽光線を集中させて聖火トーチに採火。そして炉の女神ヘスティアーを祀る巫女を女優11人が演じ、処女であることが大前提とされる巫女がトーチに火を灯します。

基本的にこの儀式は非公開であり、テレビなどにはリハーサルシーンが公開されています。なお男子が入ることはできません。

その後聖火リレーにより開催都市に運ばれますが、第一走者のみギリシャの人物が務め、第二走者は開催国の人物が務めると決まっています。

開会式で灯される聖火は開催期間中ずっと灯され、閉会式最後に消灯となります。

 

聖火の歴史を知ろう

聖火はそもそも神聖なものであり、オリンピアの多くに見られる象徴です。オリンピック期間中の聖火というのはゼウスをたたえるものなんですね。

実は1928年のオリンピックまでは聖火は見られなかったのですが、アムステルダムオリンピックに当たり、オランダの建築家ヤン・ヴィルス氏がオリンピックスタジアムに燃え続ける塔を提案、それが評価され、建築部門で金メダルを受賞し、さらにマラソンタワーと呼ばれる塔に最初の聖火を灯したというアイディアから、その後のオリンピックでも継続されてきました。

1936年に開かれたベルリンオリンピックにおいて聖火リレーを発案したのはスポーツ当局者兼スポーツ科学者のカール・ディーム氏でした。この時はギリシャのコンスタンティン・コンディリス氏が第一走者を務め、ベルリンまで実に3000人以上の人が聖火ランナーとして携わりました。

1948年は海の向こうに当たるロンドンが会場でしたから、イギリス海峡を渡るための船が使われ、1952年にはさらに飛行機を利用してヘルシンキまで運ばれました。1956年はメルボルンで行われたのですが、オーストラリアの権益が厳しいということで馬術競技は隔離開催とされ、ストックホルムには馬で聖火が運ばれました。

1968年のメキシコシティへはコロンブスが使用したアメリカ大陸息のルートを、1976年のモントリオールへはパルスに変換し、アテネから衛星を経由してカナダへ、レーザー光線で再点火されましたが、ほかにもカヌー、ラクダ、コンドルが使用されたこともあります。

また2000年シドニーオリンピックはグレートバリアリーフの海中をダイバーが繋ぎ、2004年アテネオリンピックでは世界規模で11300人の人で78000kmという過去のオリンピック開催都市をつなぎました。2008年はさらにエベレスト山頂を通過したもののルート変更や聖火が消えるといったトラブルにより国際オリンピック委員会により開催国内のみでの聖火リレーへと変わっています。

 

歴史をつなぐ聖火台

かつて聖火というと、最終ランナーが聖火台へ登り、トーチから聖火台へ火を移すという形式が一般的でした。しかし近年は様々な形が採られており、アーチェリーで火を放つ、スキージャンパーによるものなどとなっており、最終的にどのように火を灯すのかは本番まで分かりません。

ちなみに1964年東京オリンピックでは埼玉県川口市で作られた鋳物の聖火台が使用されました。川口市は鋳物の街として知られ、そこに住んでいた鈴木萬之助さんと息子の文吾さんが完成させたとのこと。

元々は1958年のアジア競技大会ように制作されたものですが、3か月という納期で20万円かけて作るというのは割に合わないと大手企業は断ったそうです。そこで名乗りを上げたのが仕事を引退していた当時68歳の鈴木萬之助さんでした。

作業は市内に別の場所を借り、文吾さんと取り組んだとのこと。しかし最初に作った湯入れは失敗に終わり、ショックで萬之助さんは寝込み、その1週間後に亡くなってしまいました。それでも病床で仕事の支持を出し、文吾さんが完成させたのです。

当初は新しい聖火台を作るという話もありましたが、当時担当していた大臣が「命を賭けて作ったものを作らずどうする」と鶴の一声で、萬之助さん、文吾さんの聖火台が使われることになったのです。この様子をテレビで見ていた文吾さんは泣いたと言います。

園文吾さんは2008年に亡くなりましたが、毎年10月10日になると旧国立競技場で聖火台の手入れをし、劣化を防いだのだとか。この度解体に伴い取り外され、被災地で展示された跡川口市へ戻り、またその後新国立競技場に運ばれる予定です。

前回の東京オリンピックでは鋳物を使用した聖火台でしたが、今回は水素を活用するとのこと。水素エネルギーは二酸化炭素を排出しませんから、環境面に配慮された形になります。この水素は福島県浪江町で製造されるものも活用するとのことですが、東京臨海部の夢の大橋にも第二の聖火台が置かれ、そこにも水素を使用するとのこと。

 

今回日本でリレーをつなぐのは?

今回の第2走者は野口みずきさんです。実は今回の東京オリンピックの聖火リレー初めてのことが多いようで、その一つが聖火リレーのランナーです。第一走者となったのはリオデジャネイロオリンピックで射撃女子25m金メダルに輝いたアナ・コラカキさんと、今まで男性が務めていた第一走者を初めて女性が務めることになりました。

日本へ聖火が到着した後は2011年の東日本大震災の被災地である宮城県、岩手県、福島県で展示され、3月26日に福島県を出発、121日間をかけて47都道府県をめぐります。

その順路は福島県、栃木県、長野県、岐阜県、三重県、和歌山県、奈良県、大阪府、香川県、高知県、愛媛県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県、熊本県、長崎県、佐賀県、福岡県、山口県、島根県、広島県、岡山県、鳥取県、兵庫県、京都府、滋賀県、福井県、石川県、富山県、新潟県、山形県、青森県、北海道、岩手県、宮城県、静岡県、山梨県、神奈川県、千葉県、茨城県、埼玉県そして東京都です。

聖火リレーで巡るのは奇跡の一本松や熊本城と言った被災地、広島平和記念公園や世界遺産となっています。

気になる聖火ランナーですが、福島県から出発するのはなでしこジャパンです。なでしこジャパンといえば、ワールドカップで優勝したことが記憶にある方も多いでしょう。さらに福島県にDASH村を置き、現在もCMに出演するTOKIO、元バレーボール選手の大林素子さんらが巡ります。

各都道府県出身のスポーツ選手、タレントらが巡るのはもちろんですが、一般のランナーも募集されていました。

他にもスピードスケートの高木菜那選手、高木美保選手、佐藤綾乃選手、スノーボードの竹内智香選手が北海道をめぐり、岩手県ではスキージャンプの小林陵侑選手が走ります。

栃木県ではバスケットボール選手の田臥雄太選手、ラグビー日本代表の田村優選手、山梨県を走る落語家の三遊亭小遊三氏は2回目の聖火ランナーです。また笑わない男で知られる稲垣啓太選手は神奈川県を走ります。

他にも棋士の羽生善治氏が埼玉県を、宇宙飛行士の毛利衛氏が茨城県を走るという情報が入っています。

トリプルアクセルを日本に、世界に広めた伊藤みどり氏は長野県、野獣という愛称で親しまれた松本薫氏は石川県を走るとのこと。

またホッケー女子代表のさくらジャパンが岐阜県を走り、棋士の藤井総太氏、フィギュアスケート選手の宇野昌磨選手が愛知県を、14歳で金メダルを取った岩崎恭子氏が静岡県を走ります。

近畿地方では車いすバスケ選手の根木慎志選手が奈良県を走り、滋賀県は騎手の武豊さんが走るということです。

岡山県は有森裕子氏と高橋大輔選手が走るという情報がありますし、大分県はスーパーボランティアで知られる尾畠春夫さん、宮崎県は柔道家の井上康生氏に競泳の松田丈志氏、さらに「こけちゃいました」のインタビューで知られる谷口浩美氏、沖縄県では具志堅用高氏が走るとのこと。

もちろんほかにもたくさんの方々がリレーで桜型のトーチをつないでくれます。東京で例年より早く桜の開花が発表された今日、東京オリンピックが予定通り開催されることを祈るばかりです。

 

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