子供から大人まで楽しめるロッククライミングをご存じでしょうか。
元々は険しい崖で行われていたものですが、現在はウォールクライミングとして、さまざまなアトラクション、スポーツ施設、遊技場で楽しむことができるようになりました。
それこそ初心者でも楽しめる施設が充実しており、全身運動を楽しめる、頂上を目指す爽快感と達成感がやめられないと非常に人気です。
スポーツクライミングは世界大会も行われており、日本人選手が活躍しています。「vs嵐」など、様々な番組で注目を集め、その身体能力のすごさに目を奪われた方も多いでしょう。東京オリンピックの新種目として、日本人の金メダル獲得に期待がかかるスポーツクライミングについてみてみましょう。
テレビで一気に注目を集めた競技
クライミングは「vs嵐」でもアレンジしたバージョンで、国民的アイドルグループの嵐やゲスト、時にはラグビー日本代表やプロ野球選手なども挑戦していますから、そこで知ったという方もいるかもしれません。
東京オリンピックで新種目に加えられる前から、世界大会で日本人が優勝しているというニュースを見た方もいるでしょう。
新種目に追加されてからは「ジャンクスポーツ」やお正月番組としておなじみの「TOKIO ウルトラマンDASH」でも紹介されました。
「vs嵐」で人気のコーナー「クリフクライム」では数に制限のある足場を使いながら、壁を昇っていき、コースに設置されているポイントとゴールポイントの獲得を目指します。以前は霊長類最強と謡われている吉田沙保里選手も参戦し話題となりました。
足場がなければサポーターとなる仲間から足場をパスしてもらい、頂上を目指していきます。
2人1組の交代制で行われるので、見ていてもドキドキハラハラするゲームです。
ダウンタウンの浜田雅功さんが司会を務める「ジャンクスポーツ」にも、スポーツクライミングの楢崎明智選手が登場、学生時代は「進撃の巨人」と呼ばれていたことを明かしました。交渉身長は186㎝ですが、測るたびに伸びているというのですから驚きです。
さらに先日は楢崎智亜選手が女子選手の野口啓代選手と共に登場、フジテレビの収録現場の壁をキャッツウォークまで登るという挑戦に見事成功しました。さらに挑戦中は足を柵に引っ掛けて宙づりになるというシーンまで見せてくれましたよ。
ちなみに野口啓代選手は以前「vs嵐」で足場を受け取らずに頂上までたどり着くという凄技を見せてくれました。
そして2020年のお正月に放送された「TOKIO ウルトラマンDASH」にも楢崎智亜選手が登場、駅の改札口から一歩も足をつくことなく切符を購入し、電車に乗り、社内だけではなく車外にも設置されたポイントを次々とクリアしていきました。
兄弟そろってクライマー
先ほど楢崎という選手が2人登場しましたが、実は兄弟です。
お兄さんが智亜選手、弟が明智選手になります。
楢崎明智選手は現在20歳、2012年からJOCジュニアオリンピックカップで1位を獲得し続けてきた選手です。それでもアジア選手権では2位、4位と表彰台を逃したこともあります。
一方の楢崎智亜選手は23歳。2020年東京オリンピックスポーツクライミングの日本代表に選ばれています。
2016年と2019年にIFSCクライミング・ワールドカップ ボルタリング種目で年間総合優勝を果たしており、世界選手権では3度の金メダル、アジア競技大会でも銅メダルを獲得しています。
兄弟で同じスポーツをするというのはよくありますが、智亜選手と明智選手は年齢も近く、今回も代表争いをしました。
東京オリンピック代表を決めたのは2019年8月のこと。21日に八王子で行われた世界選手権での事でした。
スピード、ボルタリング、リードという3つの種目がクライミングにはあるのですが、その複合競技の決勝が行われました。
そして楢崎智亜選手が見事優勝、これは男女通じて初めての快挙でした。さらに東京オリンピックの切符を掴むこととなったのですが、実は最終種目となるリードで兄弟が切符を争いました。
どちらが勝ってもおかしくない競技でしたが、明智選手が序盤に落下、総合5位となりました。
かつて若貴兄弟ブームが起こっていたころ、大相撲の優勝決定戦で兄弟対決が実現しました。場は盛り上がりましたが、勝った若乃花は「もう兄弟対決はしたくない」とコメント。兄弟で優勝を争うということが、どんなに複雑なことなのかを教えてくれました。
敗れた明智選手は試合後「大変なチャンスを逃した」とコメント。オリンピックは意識していなかったが、表彰台を狙っていた、それを逃したのが悔しいとコメントしたのです。
クライミング歴の長い明智選手が本気で悔しがったシーンでしたが、自分が大会で強くなれば、2人出ることも可能ということもあり、まずは智亜選手を倒せるのが自分だけと言われるくらいになりたいと決意を新たにしました。
女子をけん引してきた野口啓代
今や国内に敵なしと言われる野口啓代選手がクライミングを始めたのは小学校5年生のとき、グアムのゲームセンターだったと言います。興味を持った野口啓代選手はつくば市内にオープンしたスポーツクライミング事務に通い、中学校進学前に全日本ユース選手権で中学生、高校生を破って優勝、一気に知名度を上げました。
さらに2008年にはワールドカップで優勝、日本女子初の快挙を達成しました。さらに2008年に新設されたクライミング・ワールドカップ・オーバーオール部門で初代チャンピオンに、2019年にはIFSCクライミング世界選手権で複合種目2位となり、東京オリンピック代表に内定しました。
代表は世界選手権における日本人選手最上位に与えられます。野口啓代浅春のこれまでの実績を考えれば当然のことと言えるでしょう。
小学校6年生のころから一歩先を歩いてきた野口啓代選手ですが、実はオリンピック内定後に涙を見せました。
野口啓代選手は大学を中退し、プロになる道を選びました。そこには常に覚悟があり、クライミングで生きて行く、ということでした。強くなるために選んだ道、そして歩んできた世界トッププレイヤーとしての道があったのです。
東京オリンピックに内定できなかったら第一線から退く覚悟もあったという野口啓代選手、代表枠はもう一つあるのですが、野口啓代選手の中には世界選手権のことしかなかったのです。
野口啓代選手はすでに東京オリンピックにスポーツクライミングが採用されたときからオリンピックで競技人生を終えることを決意。30歳の野口啓代選手の決断でした。
クライミングは知名度が低く、スポンサーに恵まれないと言われてきた競技です。
それでも野口啓代選手は毎日練習を重ね、経験を積んできました。代表内定後、野口啓代選手は東京オリンピック金メダルを目指して1年間頑張りたいとコメント。そこには新たな、確固たる決意があったのです。
初心者でも始められる!お勧めのボルタリング施設
スポーツクライミングを見ていると、楢崎選手はジャンプするように次に移りますし、強靭な肉体と腕力などがなければできないと思ってしまいます。
ですが先にも述べたように、ボルタリングはもともと子供から大人まで楽しめる競技です。ルールとマナーを守れば安全に遊ぶことができますし、多くの施設では初心者や子供用の低い壁や安全ベルト、安全マットなどがしっかり設置されています。
ではよりボルタリングを楽しめる施設はどこでしょうか。初心者から上級者まで楽しめる施設を見てみましょう。
1つ目はボルタリングジムロックメイト大津店です。
非常に広いジムですが、大きさも十分で、大勢の人が一度に楽しめる施設です。ホールドの種類の豊富さだけではなく、複雑な動きをしなければゴールを目指せないという点もおすすめです。
ビギナーズウォールは初心者にもうってつけの壁ですし、それでいてクオリティは高いです。中にはほかのジムに行けないという方もいるほど。
キッズパークもありますから、家族で1日中楽しめるジムなんですよ。
なおジム内には琵琶湖を眺められる2階があります。ソフトクリームの販売もありますのでお勧めです。
それから同じ色のホールドだけで構成されたラインセットを日本で初めて導入したMABOO CLIMBINGです。
より高い壁に挑戦したい、クレイジーに楽しみたいという方にお勧めです。癖のある課題は中級者つまりある程度ボルタリングに慣れてきた人に人気ですが、もちろん初心者でも楽しめます。東京都武蔵村山市にありますよ。
それから京都にあるCRUX京都です。
京クラという名前でおなじみのクライミングジムで、20年以上の歴史があります。
場所はビルの地下1階、マッシュルーム壁というクライマーが壁を取り囲むという日本で初めての試みを行ったのもここです。
初心者でも始められ、徐々に必要な筋肉を付けられると、女性にも人気です。
東北からはFLAT BOULDERINGです。
国際ルートセッターという資格をご存じでしょうか。クライミングのルートを決める役割を持つ、スポーツクライミングの陰の立役者と言われており、その第一人者である平松幸祐さんがオーナーを務めています。海外からの遠征も多く、壁は世界基準、さらに壁建屋が作った曲線美のある壁が人気です。
これから大会に出たいという方にお勧めのジムで、山形駅近くにあります。
九州は口コミ評価他の高いGRAVITY RESEARCH FUKUOKAがおすすめです。
カラフルなホールドが黒い壁に並び、初心者も子供から大人まで楽しめる施設です。翌日は筋肉痛という意見もあるほど没頭できますよ。
北海道は函館のボルタリングジムエクストリームが人気です。
ウォールの種類が豊富で常に最新のホールドがあると話題なんですよ。木目調の壁にカラフルなホールド、スラブに垂壁はもちろん、傾斜は135度という壁が5メートルなど、様々な方が楽しめるジムとなっています。
他にも埼玉県越谷市のBe Born Climbing gym、茨城県鹿嶋市にあるao_roc.climbing、横浜にあるボルタリングジムB-PUMPなどがありますし、中には動物園や遊園地、北欧のおもちゃ屋ボーネルンドが運営するキドキドなどにもクライミングがありますので、ぜひ足を運んで体感してみてはいかがでしょうか。