eスポーツを観戦するだけのファンというのはどの国にもいるもので、一定のプレイヤーのファンだったり、eスポーツの競技そのものファンだったりします。ファンの声援があるからこそプレイヤーも力を120%発揮できる、それこそeスポーツの醍醐味といえるでしょう。
ところが最近、ファンのマナーが問題となっているようです。
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1つの投稿が問題提起へ
アメリカで開催されていたNA LCSでの出来事。この大会ではプレイオフ進出をかけて、多くのプレイヤーが技を競い合っていました。
すると8月7日、Team LiquidのミッドトレーナーであるEugene”Pobelter”Park選手が、SNSでファンのマナーの悪さを指摘し、話題となったのです。
その内容は、試合の後にファンミーティングに来るファンに対し、プレイヤーの乳首をつねるようなおかしな行為をやめて欲しいというものでした。
本当にそんなことがあったのかと驚く人も続出しましたが、実際にこのツイートは1万以上のいいね!を獲得、eスポーツのファンのモラルに問題提起する形となったのです。
実際に公開されている公式試合動画には、ファンが選手とハイタッチする際、チーム100Thieves所属のaphromoo選手が乳首を触られるシーンが残されています。
セキュリティ問題も噴出
eスポーツは画面を通じて向こう側にいる相手と競い合うものですから、ルールはいたってシンプルですし、試合構造は誰にでもわかりやすいものです。
その分試合ブースは欧米だとオープンになっていることが多く、観客の声援を身近に感じることができます。
セキュリティ問題が起こったのは2017年のことです。
LoLのMSI決勝戦で、観客がおよそ3メートルの高さからステージへ飛び下り、優勝チームのメンバーと喜びを分かち合ったのです。この一件があり、Riot Gamesは生観戦会場でeスポーツを行う際は、チームと選手を守らなければならない。そのためにはセキュリティを徹底することが大切だとコメントしました。
韓国ではブースを箱で多い、セキュリティ保護をしています。しかしファンの声は一切聴こえないことが多く、ファンとチームが一体となって戦うという構図はできにくいかもしれません。
選手とファンの距離はどうあるべきか
eスポーツの問題点は、選手とファンの距離です。
ただプロサッカーなどでもよく、ファンがフィールドに乱入するという事件は聞きますし、2018年のFIFAワールドカップロシア大会でも同様の問題があったばかりです。記憶に新しい方もいるでしょう。
プロ野球で時折みられるような、猫やリスなどの珍客がお訪れるのとはわけが違いますから、やはりファンとしてマナーは守りたいものです。
LoLは世界中でリーグが開催されていますが、試合後にファンミーティングを開催しています。このファンミーティングでファンは選手を応援し、サインをもらうことができます。選手にとってもサポートしてくれるファンがいることは、大変励みになることでしょう。
だからこそ、双方にモラルとルールが必要なわけで、選手とファンという一線は大切なのです。選手はルールを守り試合に臨み、ファンミーティングに参加しています。しかしファンがその壁を破って、リスペクトではなく無礼となる働きをすることが、eスポーツの評価を落とすことにつながってしまうのです。
EU LCSに出場しているKikis選手は、Pobelter選手に対し、イベントに永久出禁となることが問題となるかと問いかけています。ファンがいるからeスポーツが盛り上がる、この図式を覆してしまう永久出禁処置は、大きな問題です。
しかしファンが今以上にプレイヤーに迷惑をかけるような行為をすれば、当然ながらファンミーティングの内容縮小や制限などがかかってしまうのです。
今回のツイートはあくまでも氷山の一角、eスポーツの中でファンと選手の関係性がどうあるべきか、今一度考えてみてはいかがでしょうか。
日本のeスポーツモラルは?
一方日本のeスポーツのファンのモラルが取り上げられたことは、今のところありません。日本人はマナーがいいと世界から言われていますが、もちろん100%ではありませんよね。ポイ捨てする人だっていますし、割り込みをする人だっています。
しかしどういったことが他人の迷惑となり、またスポーツを観戦するうえで選手に迷惑をかけない行動につながるかということを、日本人の多くが認識しているでしょう。
もしかしたらeスポーツ観戦のマナーについて問われているシーンは、日本でもあるのかもしれません。日本のeスポーツはこれからと言われていますから、2019年の国体や2022年のアジア競技大会の際、日本人のeスポーツ観戦モラルが問われることの内容に心がけたいものです。
もちろん海外に観戦しに行く場合も同様で、eスポーツに真剣に取り組むプレイヤーが、気持ちよく競技を終えられるように、ファンからの歓声に感謝できるようにしたいですね。これからeスポーツを見てみたいという方も、eスポーツ観戦が趣味という方も、今一度モラルについて考えてみませんか。